ここから、現実的にリーダーとして活躍するためにどうすればよいのかという実践部分を解説します。リーダーシップの要素を身につけるだけではリーダーにはなれません。組織におけるリーダーのポジションは数が限られています。リーダーになるための道筋は、今いる組織の中にあるそのポジションを狙うか、他の組織のポジションを取りに行くかという大きく2つの選択肢に分かれます。会社員であれば、まずは前者を選択するのが一般的です。つまり、出世を目指すということです。
会社においてリーダーとなるべく出世する人材とは、上司にとっては優秀な部下であり、また部下にとっては優秀な上司といえるでしょう。与えられた仕事には熱心に取り組み、決して機械的なやっつけ仕事ではなく、自分の頭で考える習慣を身に付けています。また部下にとっては、自分の成長を促し支えてくれる存在として信頼できる導き手です。しかしその他に、冷静な自己評価を下すことができるという要素を見逃すわけには行きません。
リーダーシップを発揮したくても、その場が無ければ腕を磨くことも叶いません。昨今では責任ばかりが重くて残業代も出ずに会社に都合よく使われることもあるため、敬遠されがちな管理職ですが、社内に留まっていても思うように管理職に昇進することが難しい場合には、思い切って転職するという選択肢もあります。その場合には自分のキャリアの中で、管理職としての実力をアピールできるような要素がないか、これまでの経験から丁寧に拾い出すことが大切です。
IT業界においてリーダー職と目されるのは、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーであり、様々な開発現場に集うチームを取りまとめて、プロジェクトを問題なく完了させる技量を問われます。このような重責を担うのは、社内ではプログラマやエンジニアから徐々に小さな規模の案件を任されるというステップアップもありますが、フリーランスにもチャンスがあります。ただし現場での即戦力を問われる以上、それ相応の覚悟が必要です。